ある休日の昼下がり。どこかのお店から外に出て「しかし晴れというのはいいものだ」などと
入口で体を伸ばすなどの動きをしていたところ、背後から「ちょっとすみません」と声を掛けられる。
おっと、邪魔してしまった。早くどかなくては。そう思い体を寄せながらも振り返ると、そこには見知らぬ女性がいた。
見知らぬ女性とは書いたが、その見た目には何となく覚えがあった。というのも、よくTVで居そうな万引Gメンっぽい人オーラを放っていたのだ。
「ちょっと今あなた怪しい動きしたので事務所まできてください」
何が怪しい動きだ。ただのストレッチではないかと反射的にレスポンスしようと喉の筋肉が硬直したが
たしかに店の出入口でストレッチは怪しい。というか邪魔だ。
また、先述のとおり、いかにも万引Gメンっぽいオーラが見えたのと、もちろん万引きなどしていない僕は
「わかりました」
と答えた。すると女性は僕の腕を掴んで店内に連れ込む。
(少し強引すぎではないか。素直に付いていくのに)
心で思いながらも、せっかくなので女性と世間話を開始した。
「ところで怪しい動きってなんですか」
「静かについてきてくさい」
「いやいや、できれば説明が欲しいんですが」
「…いいでしょう」
すると女性は立ち止まり、僕に向かって語り始めた
「あなたは独身男性が身寄りのない男子を引き取る理由を知っていますか?」
「は?」
「それはですね、子供が『男子』だからですよ」
「はぁ」
「ふふふ」
そこで夢から覚めました。